代表挨拶株式会社鯉平は、2025年1月より持株会社体制へと移行し、鯉平ホールディングス株式会社が100%出資する「株式会社鯉平」と「鯉平フードサービス株式会社」の2つの事業会社が新たに誕生しました。
明治30年の創業から128年、私たちは幾多の社会変容や、紛争災害といった試練を乗り越え、歴史を紡いでまいりました。この歩みは、先人たちが「諦めない」という不屈の精神を持ち続けてくれたおかげにほかなりません。埼玉県さいたま市(旧大宮市)で小さな鯉の問屋から始まった鯉平は、時代の変化に合わせて事業の姿を変え続けてきました。その詳細についてはホームページ内の「ぶぎんレポート」にも記しておりますが、五代目として舵を取るにあたり、私は先人たちが歩んだ苦難の道を心の中で辿り直し、そこから学ぶべき教訓を自らに問い続けています。そしてその教訓を、次の世代のためにどう活かすべきかを日々考えています。

鯉平の使命:業界の発展
鯉平の存在意義は、『業界の発展』にあります。そのため、私は従業員に対し「利他の精神を忘れることなく、常に誰かの幸せを想像しながら仕事に取り組もう」と繰り返し伝えています。そして、この使命を全うするためには、鯉平グループが『永続』することが不可欠であります。なぜなら、我々が業界の発展に寄与できる企業であると、私を含む全従業員が強く信じているからです。

事業の永続は容易なことではありません。しかし、先人たちは私たちに、未来への道標として以下の3つの教訓を残してくれました。

1. 過去にこだわらず進化を続けること

2. 時代を先取りし挑戦を恐れないこと

3. 何があっても決して諦めないこと

先人たちの軌跡
初代平八が川魚問屋から独立し「鯉屋」を営んだことに由来する鯉平の名。その名は変わらずとも、世代を経るごとに新たな挑戦のもとで会社は進化を遂げてきました。
二代目重雄は、不自由な体と戦時下という逆境を乗り越え、鯉以外の商品にも事業を広げ販路を拡大しました。
三代目晃は、静岡焼津での養殖うなぎ問屋の開拓に成功し、鯉平を「活鰻安定供給の鯉平」として県内屈指の企業に育て上げました。その裏には、競合からの圧力や仕入先の信頼を勝ち取るための困難や激務があったと聞きます。
そして四代目良朗は、バブル崩壊以降の苦しい時代において事業をスリム化し、新たな収益の柱として飲食事業に挑戦しました。一切のノウハウがない中での赤字続きの時期にあっても、決して諦めることなく着実に改善を重ねた結果、今や活鰻の安定供給に必要不可欠な直営店舗運営とOEM製造のノウハウを築き上げました。

未来への決意
今、私たちが取り組むべきことは、「永続への道を歩む中で次の150年を見据え、事業の分社化によって働く仲間たちの熱意をさらなる成長の原動力へと変えること」だと確信しています。
卸売部門・製造部門・通販部門・飲食事業部門・清掃メンテナンス部門・イベント部門・海外事業部門と、鯉平は時代のニーズに応じて多岐にわたる事業領域を展開するまでに至りました。これらの部門が専門性を磨き、創造力豊かに未来を描きながら成長できる環境を整えるべく、ホールディングス体制への移行を決断しました。
これは、鯉平グループが『業界発展のために永続する』という、私の揺るぎない意思によるものです。

これからも困難や予測できない環境の変化に直面することがあるでしょう。しかし、先人たちが残してくれた教訓を胸に刻み、業界のため、お得意様のため、従業員とそのご家族のため、仕入先のため、そして地域のために、鯉平グループの永続に挑み続けます。これが、お得意様の事業継続を支える一助となると私は確信しています。

引き続き、皆様からのご支援とご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

2025年1月1日
鯉平ホールディングス株式会社
株式会社鯉平
代表取締役社長
清水 亮佑